バルジンダー・サドラ(Baljinder Sahdra)の論文一覧:心を研究していたはずが、気づけば人間のややこしさまで丸ごと照らしてくる論文たち
バルジンダー・サドラ(Baljinder Sahdra)のプロフィール
バルジンダー・サドラさんは、ひと言でいえば「心の動きを、虫めがねではなく望遠鏡と地図まで使って見にいく研究者」です。オーストラリアン・カトリック大学の Institute for Positive Psychology and Education に所属していて、ウェルビーイング、マインドフルネス、ノンアタッチメント、そして人がどう変わっていくかというプロセスの研究に取り組んでいます。Google Scholar では同機関の教授として紹介されており、研究関心として well-being、idionomic methods、mindfulness、nonattachment などが挙げられています。
「最近ちょっと心がしんどいんです」
「なるほど。では気分だけではなく、人とのつながり方や、自分への向き合い方や、毎日の変化まで見てみましょう」
……という具合に、心を一点だけで決めつけず、全体の流れごと見ようとするタイプの研究者です。研究手法もかなり幅広く、縦断分析、メタ分析、機械学習、ネットワーク分析などを使っていると、本人インタビューで紹介されています。
しかも研究だけの人ではなく、2024年には Journal of Contextual Behavioral Science の編集長に就任したことが紹介されています。さらに、Global Compassion Coalition の理事や、Institute for Better Health の科学諮問委員も務めていると案内されています。つまり、「論文を書く人」で終わらず、「この分野全体の交通整理までしている人」という感じです。

1.『自分にやさしくできる人は、低い自己評価に飲み込まれにくい-青年期を追跡した大規模研究』サラ・L・マーシャル、フィリップ・D・パーカー、ジョセフ・チアロッキ、バルジンダー・サドラ、クリス・J・ジャクソン、パトリック・C・L・ヘブン(2015)
Marshall et al. (2015), Self-compassion protects against the negative effects of low self-esteem
この論文、ひと言でいうと「自己肯定感が低い日はある。でも、そのとき自分にやさしくできる人は、心まで総崩れしにくい」という話です。オーストラリアの青年を追った縦断研究で、セルフ・コンパッションが低い自己評価のダメージをやわらげる“心のクッション”みたいに働くことが示されました。自分を甘やかす話ではなく、しんどい日にどう立て直すかを教えてくれる一編です。読後、ちょっと自分への接し方を変えたくなります。

