ダニエル・C・コルビンスキ(Daniel C. Kolubinski)の論文一覧:自己肯定感のぐらつきを、研究でわりと本気で立て直しにきた論文たち
ダニエル・C・コルビンスキ(Daniel C. Kolubinski)のプロフィール
ダニエル・C・コルビンスキは、ひとことで言うと、「自信のなさ」と正面から向き合っている心理学者です。研究テーマはとても一貫していて、低い自己肯定感、自分を責める反すう、自分の考え方についての考え方であるメタ認知、そしてそれらに対するCBTの効果などを中心に扱っています。論文を見ると、「心がしんどいのは気のせいではなく、ちゃんと仕組みがあるんです」と静かに教えてくれるタイプの研究者だな、という印象です。
所属については、少なくとも公開情報ではロンドン・サウスバンク大学(London South Bank University)の心理学系部門で活動していることが確認できます。ResearchGate上ではSenior Lecturerとして紹介されており、研究内容としては、自分を責め続ける思考と自己肯定感の関係を主な関心にしていると書かれています。つまり、「どうして人は、自分の中で自分を追いつめてしまうのか」を、ふわっとした励ましではなく、研究で追いかけている人ですね。
代表的な仕事としては、Fennellモデルにもとづく低い自己肯定感へのCBT介入のシステマティックレビューとメタ分析があります。これは、「自己肯定感が低い人に対するCBTって、実際どうなの?」という問いに、過去の研究をまとめて答えようとしたものです。ほかにも、自己批判的な反すうに関するメタ認知質問紙や、自己肯定感のメタ認知モデルに関する研究などがあり、かなり一貫して「心の中の厳しい会議」を研究対象にしています。まるで、脳内で開かれている反省会の議事録を、学術的に読み解いているような感じです。

1.『低い自己肯定感にCBTは効くのか-フェネルモデルにもとづく介入研究を読み解く系統的レビューとメタ分析』ダニエル・C・コルビンスキ、ダニエル・フリングス、アナ・V・ニクチェヴィッチ、ジャクリーン・A・ローレンス、マルカントニオ・M・スパーダ(2018)
Daniel C. Kolubinski、Daniel Frings、Ana V. Nikcevic、Jacqueline A. Lawrence、Marcantonio M. Spada (2018),『A systematic review and meta-analysis of CBT interventions based on the Fennell model of low self-esteem』
「自己肯定感が低い人にCBTって本当に効くの?」という、なかなか切実な問いに、研究たちをずらっと並べて答えにいった論文です。気合いの根性論ではなく、Fennellモデルにもとづく支援がどれくらい役立つのかを、冷静に点検しているのが面白いところ。自分を責めるクセは変えられるのか。読んでいくと、心の中のやっかいな思い込みにも、ちゃんと攻略ルートがあるのかもしれないと思えてきます。

