ミシェル・A・ハリス(Harris)の論文一覧:心は一人暮らしできないのかもしれない、と論文で語りはじめた人

ミシェル・A・ハリス(Harris)の論文を読む女性
adler-nap

ミシェル・A・ハリス(Harris)のプロフィール

ミシェル・A・ハリス(Michelle A. Harris)は、自己肯定感と人間関係のつながりをテーマに研究してきた心理学系の研究者です。とくに知られているのは、ウルリッヒ・オース(Ulrich Orth)と共著した “The Link Between Self-Esteem and Social Relationships” というメタ分析の研究で、「自己肯定感が高いと人間関係がよくなりやすく、よい人間関係はまた自己肯定感を育てやすい」という、いわば“心のキャッチボール説”を大きなデータで確かめたことです。論文情報では、当時ハリスはテキサス大学オースティン校の心理学部門に所属していました。

テキサス大学オースティン校の紹介記事でも、ハリスは博士号をもつポスドク研究者として紹介されており、近しい友情や人とのつながりが自己肯定感を高めることを、人生全体にわたる視点で研究していたことがわかります。つまりこの人、ただ「自信を持とう!」と叫ぶタイプではありません。むしろ「その自信、ひとりで栽培するのはむずかしいですよ。人との関係という土も要りますよ」と、研究で静かに語るタイプです。

公開情報から見ると、ハリスは自己肯定感の発達にも関心をもっていて、たとえばメキシコ系の若者を対象に、10歳から16歳にかけて自己肯定感がどう育つかを調べた研究や、Lifespan Self-Esteem Scale という自己肯定感尺度の検討にも名前が見られます。研究テーマとしては、「人は自分をどう感じるのか」「それは年齢や対人関係の中でどう変わるのか」を、かなり地道に追いかけてきた研究者だといえます。

阿部牧歌(管理人)
阿部牧歌(管理人)

1.『自己肯定感と人とのつながりは、どう結びついているのか 縦断研究のメタ分析から見えてきたこと」』ミシェル・A・ハリス、ウルリッヒ・オルト(2020)

Harris & Orth (2020), 『The link between self-esteem and social relationships』

「自己肯定感って、自分の心の中だけの話でしょ?」と思ったら、この論文が静かに首を振ります。Harris & Orth(2020)は、長期データをまとめて見ることで、よい人間関係は自己肯定感を育て、自己肯定感はまた人間関係をよくするという、心とつながりの“いい循環”を示しました。つまり、自信はひとりで筋トレするものではなく、誰かとの関わりの中でも育つらしいのです。読んでみると、「自分を好きになる」と「人とつながる」が、別々の話ではなかったと見えてきます。

阿部牧歌(管理人)
阿部牧歌(管理人)
この論文の要約を読む
【論文要約】自己肯定感の研究からわかった、人間関係が心に与える意外なしくみ
【論文要約】自己肯定感の研究からわかった、人間関係が心に与える意外なしくみ
記事URLをコピーしました