ヨハネス・ツィンマーマン(Johannes Zimmermann)の論文一覧:心の中身をのぞいたら、予想よりずっと奥行きがあったと教えてくる論文たち

ヨハネス・ツィンマーマン(Johannes Zimmermann)の論文を読む女性
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ヨハネス・ツィンマーマン(Johannes Zimmermann)のプロフィール

ヨハネス・ツィンマーマンさんは、ざっくり言うと、「人の性格ってそもそも何なの」「心の不調って、どう整理したらちゃんと見えてくるの」という、なかなか骨太な問いに正面から向き合っている心理学者です。現在はドイツのカッセル大学で、個人差・人格心理学の教授を務めています。大学の公式ページでは、人格心理学の教授として紹介されていて、心理学部門に所属していることが確認できます。

研究の中心にあるのは、臨床心理学、人格心理学、心理アセスメントあたりです。つまり、「その人らしさ」と「心のつまずき方」を、勘や雰囲気ではなく、できるだけ丁寧に測って理解しようとするタイプの研究者です。研究テーマをのぞくと、人格障害、うつ、対人関係、精神病理の分類など、心の地図を描き直すような仕事がかなり多いです。

「あなたの心は複雑です。はい、知ってます」
で終わらせず、
「ではその複雑さを、どの線で、どの言葉で、どこまで正確に捉えられるか見てみましょう」
と、白衣ではなく統計をまとって近づいてくる研究者、という感じです。

また、カッセル大学の公式ページには、HiTOPのような新しい精神病理の整理の仕方に関する話題や、精神疾患の診断をどう考え直すかという発信も載っています。なので、単に「性格を研究しています」というより、性格と心の不調の境目、重なり、分類のしかたをかなり本気で探っている人だと見てよさそうです。

Google Scholar上でも論文引用数はかなり多く、関連分野でしっかり読まれている研究者です。プロフィールには、人格障害、うつ、対人理論、人格測定などが主なキーワードとして並んでいます。

ひとことで言うなら、ヨハネス・ツィンマーマンさんは、
「人の心ってややこしいよね」で終わらせず、そのややこしさを、学問としてきちんと読み解こうとしている人
です。
心の迷路に入っていって、ただ迷子になるのではなく、ちゃんと道案内の看板まで立てようとしている。そんな研究者、という紹介がいちばんしっくりきます。

参考文献・確認先:カッセル大学:ヨハネス・ツィンマーマン公式プロフィール / Google Scholar:Johannes Zimmermann 論文・引用情報 / PubMed:Johannes Zimmermann 関連論文 / ResearchGate:Johannes Zimmermann 研究者プロフィール

阿部牧歌(管理人)
阿部牧歌(管理人)

ヨハネス・ツィンマーマン(Johannes Zimmermann)の研究から学べること

ヨハネス・ツィンマーマンさんの研究から学べることを、ひとことで言うなら、「人の性格や心の困りごとは、ただ“明るい・暗い”“強い・弱い”で決まるものではなく、人との関わり方や自己理解のパターンとして見ていくと、ずっとわかりやすくなる」ということです。

人間って、なかなか複雑です。外から見ると「この人は怒りっぽい」「この人は不安が強い」「この人は距離を取りがち」と見えます。でも、その奥には、「本当は近づきたいけど傷つきたくない」「認められたいけど拒絶が怖い」「自分を守るために強く見せている」みたいな、心の舞台裏があります。表の役者だけ見ても、演出家の意図まではわからない。心理学は、その舞台裏にそっと懐中電灯を向ける仕事なのです。

ツィンマーマンさんは、ドイツのカッセル大学で差異心理学・人格心理学を専門とする教授です。大学の研究紹介では、適応的な性格と不適応的な性格を統合的に理解するモデル、日常行動の測定、性格評価の正確さ、臨床診断に使う質問紙の開発などが研究テーマとして紹介されています。つまり、「人の性格をどう測るか」「その人らしさと心の困りごとはどうつながるか」を、かなり丁寧に見ようとしている研究者です。

ここで大切なのは、「性格をラベルとして貼るだけでは足りない」ということです。

たとえば、「神経質な人」「自己中心的な人」「人付き合いが苦手な人」と言ってしまえば簡単です。でも、それではまるで人間に値札を貼るようなものです。しかも、たいてい値札が雑です。「不安多め、税込398円」みたいな話ではありません。人には、その行動に至る背景があります。考え方のクセ、人との距離の取り方、感情の動き、過去の経験、今の環境。いろいろな糸がからまって、一人の人のふるまいになります。

ツィンマーマンさんの研究領域から学べる一つ目の知恵は、「人を“タイプ”で終わらせないこと」です。

性格診断は楽しいです。「あなたは〇〇タイプです」と言われると、なんとなく自分が説明された気になります。心に名札がついて、ちょっと安心する。でも、人間はタイプ分けの箱にきれいに収まるほど単純ではありません。押し入れの収納ボックスならまだしも、人間の心はもう少し散らかっています。たまに奥から昔の感情が出てきます。しかも、なぜか片方だけの靴下も出てきます。

大事なのは、「この人はこういうタイプ」と決めつけることではなく、「この人はどんな場面で、どんな反応をしやすいのか」を見ることです。

人前では明るいけれど、親しい関係では不安になりやすい。

初対面では控えめだけれど、安心するとよく話す。

仕事では几帳面だけれど、感情の整理は苦手。

人を助けるのは得意だけれど、自分が頼るのは苦手。

こういうふうに見ると、人物像が立体的になります。紙のペラペラ人形ではなく、ちゃんと影のある人間として見えてきます。

二つ目の知恵は、「性格の問題に見えるものの中には、人間関係のパターンが隠れている」ということです。

たとえば、すぐ怒る人がいるとします。表面だけ見れば「怒りっぽい人」です。でもその奥には、「軽く扱われたくない」「自分の立場を守りたい」「否定される前に強く出たい」という気持ちがあるかもしれません。

逆に、すぐ謝る人がいます。表面だけ見れば「気をつかう人」です。でもその奥には、「嫌われたくない」「波風を立てたくない」「自分が悪いことにしたほうが安全」というパターンがあるかもしれません。

さらに、人と距離を取る人もいます。表面だけ見れば「冷たい人」です。でもその奥には、「近づくと傷つく」「頼ると裏切られる」「期待するとつらい」という心の防寒着を着ているのかもしれません。本人は寒さをしのいでいるだけなのに、外から見ると少し近寄りがたく見えるわけです。

ツィンマーマンさんの研究分野である人格心理学や臨床心理学では、こうした性格と対人関係、精神的な困りごとのつながりが重要になります。研究者情報でも、臨床心理学、人格心理学、心理アセスメント、精神病理、心理療法過程などが専門として紹介されています。

三つ目の知恵は、「人を正確に見ることは、思ったより難しい」ということです。

ツィンマーマンさんは、人が他者をどのくらい正確に理解できるか、そして好き嫌いがその理解にどう影響するかにも関わる研究をしています。2018年の論文では、相手を好きか嫌いかによって、その人をどう見るかの正確さや偏りが変わるかが検討されています。

これ、日常ではかなり身に覚えがあります。

好きな人のミスは、「まあ、忙しかったんだろうな」と解釈しやすい。

苦手な人のミスは、「ほら、また雑だ」と思いやすい。

好きな人の沈黙は、「疲れているのかな」と思える。

苦手な人の沈黙は、「感じ悪いな」と感じる。

同じ行動でも、相手への好意によって見え方が変わるのです。人間の目には、どうやら感情フィルターがついています。しかも、なかなか性能が高い。いや、高すぎて困ることもあります。好き嫌いという色眼鏡をかけたまま、私たちは相手を見ていることがあるのです。

ここから学べるのは、「自分の見方も偏る」と知っておくことです。

「あの人は絶対こういう人だ」と思ったときほど、一度立ち止まる。

「本当にそうかな」

「自分がその人を苦手だから、悪く見ていないかな」

「別の場面では違う一面があるかもしれない」

こう考えるだけで、人間関係のこじれは少し減ります。心のメガネ拭きです。曇ったレンズを少し拭くだけで、相手の姿が違って見えることがあります。

四つ目の知恵は、「心の困りごとを理解するには、測る道具も大事」ということです。

心理学では、ただ印象で「この人はこうだ」と判断するのではなく、質問紙や面接、行動観察などを使って、その人の状態を丁寧に見ていきます。ツィンマーマンさんの所属部門の研究紹介でも、臨床診断に使う標準化された質問紙の開発がテーマとして挙げられています。

これは、とても大事です。なぜなら、人間の印象判断はけっこう当てにならないからです。

「元気そうだから大丈夫」

「笑っているから問題ない」

「話せているから困っていない」

「静かだからやる気がない」

こういう判断は、外れることがあります。人は、外側と内側が一致しているとは限りません。外はニコニコ、内側は台風。外は静か、内側は会議室が大荒れ。そんなことは珍しくありません。

だから支援や臨床では、「見た感じ」だけでなく、本人の言葉や評価尺度、日々の変化を合わせて見ることが大切になります。心の天気予報は、空をちらっと見るだけでは足りません。気圧、湿度、風向きも見る必要があるのです。

五つ目の知恵は、「困りごとは、その人の欠点ではなく、パターンとして一緒にほどけることがある」ということです。

たとえば、「人間関係がうまくいかない」と悩む人がいるとします。ここで「性格を直しましょう」と言われると、かなりつらいです。まるで人格ごと修理工場に出される気分になります。「部品交換ですか?」と不安になります。

でも、「どんな場面で不安が強くなるのか」「どんな相手に対して身構えるのか」「何を恐れているのか」「どんな反応をすると関係がこじれやすいのか」とパターンとして見ると、少し扱いやすくなります。

人格を丸ごと変える必要はありません。

まず、よく出る反応に気づく。

次に、その反応が出る理由を理解する。

そして、少し違う反応を試してみる。

これで十分、変化の入口になります。

たとえば、いつも相手に合わせすぎて疲れる人なら、「断る練習」を小さく始める。すぐ怒ってしまう人なら、「怒る前に不安や傷つきを言葉にする」練習をする。人を避けてしまう人なら、「安全な相手に短く相談する」ことから始める。変化は、大改造ではなく、小さな回路のつなぎ替えから始まるのです。

ツィンマーマンさんの研究から、支援や職場に持ち帰れる知恵はかなり実用的です。

相手を「困った人」と見ず、「困りごとを抱えた人」と見る。

行動だけでなく、その奥にある不安や願いを見る。

自分の好き嫌いで相手を評価しすぎていないか点検する。

本人の状態を、印象だけでなく言葉や記録でも見る。

変化は性格の全否定ではなく、パターンの見直しから始める。

こうした視点があると、人への関わり方はずっとやわらかくなります。

ヨハネス・ツィンマーマンさんの研究が教えてくれるのは、人間の性格や心の不調を、雑なラベルで片づけないことの大切さです。

人は、ただ「明るい人」「暗い人」「強い人」「弱い人」ではありません。

人は、場面によって変わります。

人は、関係の中で反応します。

人は、過去の経験を抱えながら今の相手を見ています。

そして、人は、自分のパターンに気づくことで少しずつ変わる可能性を持っています。

心理学的に人を見るとは、相手を分類棚にしまうことではありません。その人の心の地図を、一緒に広げてみることです。道が曲がっているところもある。行き止まりに見える場所もある。昔の傷で通りにくい道もある。でも、別の道がないとは限らない。

ツィンマーマンさんの研究は、その地図づくりのための道具を磨いている研究だと言えます。人を一枚のラベルではなく、立体的な物語として見ること。そこに、この研究から学べるいちばん大切な知恵があります。

阿部牧歌(管理人)
阿部牧歌(管理人)

ヨハネス・ツィンマーマン(Johannes Zimmermann)の論文一覧

1.『セルフ・コンパッションと全体的自己肯定感は、日々のポジティブ感情・ネガティブ感情、そしてストレスへの揺れやすさとどう結びつくのか:スマートフォン調査から見えてきたこと』トビアス・クリーガー、ヘレナ・ヘルマン、ヨハネス・ツィンマーマン、マルティン・グロッセ・ホルトフォルト(2015)

Krieger, T., Hermann, H., Zimmermann, J., & Grosse Holtforth, M. (2015). Associations of self-compassion and global self-esteem with positive and negative affect and stress reactivity in daily life: Findings from a smart phone studyPersonality and Individual Differences, 87, 288-292. DOI:10.1016/j.paid.2015.08.009

「自分にやさしくするのと、自信を持つのって、どっちが心に効くの?」
この論文は、そんな気になる勝負をスマホで日常追跡した研究です。14日間、気分やストレスを記録してもらったところ、セルフ・コンパッションの高い人ほど、しんどい場面で心が荒れにくいことが見えてきました。しかも、自尊心より一歩ねばり強い。
“元気な日の話”ではなく、“しんどい日の心の守り方”を知りたい人に、かなり刺さる一本です。

阿部牧歌(管理人)
阿部牧歌(管理人)
この論文の要約を読む
【論文要約】自分にやさしい人は、なぜ少し崩れにくいのか? セルフ・コンパッション研究が明かした心のしくみ
【論文要約】自分にやさしい人は、なぜ少し崩れにくいのか? セルフ・コンパッション研究が明かした心のしくみ
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