クリス・J・ジャクソン(Chris J. Jackson)の論文一覧:心の中をのぞいたら、思ったより物語がぎっしり詰まっていた研究たち
クリス・J・ジャクソン(Chris J. Jackson)のプロフィール
クリス・J・ジャクソンは、ひとことで言うと、「性格っておもしろいよね」で終わらず、その奥にある“なぜそう動くのか”まで追いかける研究者です。オーストラリアのニューサウスウェールズ大学(UNSW)で、ビジネス心理学の教授を務め、元・スクール長でもあります。つまり、「心を研究しています」だけでは済まない、かなり本格派の先生です。
研究テーマもなかなか味があります。たとえば、学習のしくみ、パーソナリティの成り立ち、生物学的な性格の土台、認知のクセ、そしてそれらが仕事の成果やパフォーマンスにどうつながるのかを調べています。言ってしまえば、
「この人はなぜこう考えるのか」
「なぜ同じ出来事でも反応が違うのか」
「その違いは仕事や学びにどう出るのか」
という、人間の“中身の配線図”みたいなものを読み解こうとしている研究者です。
しかもこの人、ただの性格研究で終わりません。パーソナリティ心理学だけでなく、組織心理学やリーダーシップ、個人差の研究にも広く関わっていて、「その性格、職場ではどう働くの?」というところまで踏み込んでいきます。心の研究室にいたはずが、いつのまにか会議室や職場の空気まで見に行っている感じです。
「人の性格って、ラベルを貼って終わりではないんですよ」
「その性格が、どう学び、どう動き、どう成果につながるかまで見たいんです」
と、静かに言いながら、こちらの“人間理解の雑さ”をやさしく粉砕してくるタイプです。
要するにクリス・J・ジャクソンは、性格をただ分類する人ではなく、性格が人生や仕事の中でどう動くかを追いかける研究者です。読んでいると、「性格診断って軽い読み物かと思っていたのに、急に人間そのものが深く見えてきたぞ」となる、そんな系統の学者さんですね。

1.『自分にやさしくできる人は、低い自己評価に飲み込まれにくい-青年期を追跡した大規模研究』サラ・L・マーシャル、フィリップ・D・パーカー、ジョセフ・チアロッキ、バルジンダー・サドラ、クリス・J・ジャクソン、パトリック・C・L・ヘブン(2015)
Marshall et al. (2015), Self-compassion protects against the negative effects of low self-esteem
「自己肯定感が低いと、やっぱりしんどくなりやすいの?」
この論文は、そこにセルフ・コンパッションという頼れる味方を登場させます。オーストラリアの青年2448人を追ったところ、自己肯定感が低くても、自分にやさしくできる人は心のダメージが小さかったのです。つまり、心がぐらついた日に必要なのは、根拠なき自信より“自分へのいたわり”かもしれない。読後、あなたの自己対話が少し変わる論文です。

