アマンダ・ダフィー(Amanda Duffy)の論文一覧:キャリアの話かと思ったら、気づけば生き方まで問うてくる論文たち

アマンダ・ダフィー(Amanda Duffy)の論文を読む女性
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アマンダ・ダフィー(Amanda Duffy)のプロフィール

アマンダ・ダフィーさんは、オーストラリアのグリフィス大学でSchool of Applied Psychology の Senior Lecturerを務めている心理学研究者です。所属はグリフィス大学のGold Coastキャンパスで、大学のスタッフディレクトリにもその肩書きで掲載されています。

「どんな先生なの?」とひとことで言うなら、人と社会の関わりや、若者の発達、キャリアの悩み、集団の中で起こる心の動きを追いかけている先生、という印象です。グリフィス大学の研究者ページでは、アマンダ・ダフィーさんの研究がsocial groupsに焦点を当てていることが示されていて、実際に若者のキャリア目標のずれや自己調整、いじめをめぐる防衛行動などに関する研究でも名前が見られます。

授業面では、グリフィス大学のSocial and Cultural Psychologyの科目でコース担当者(Convenor)として掲載されています。つまり、論文を読むだけの人ではなく、学生さんに心理学を届ける現場にもちゃんと立っている先生です。研究室にこもって難しい顔をしているだけではなく、「はい今日は人間のややこしさを見にいきますよ」と授業の扉を開けていそうなタイプ、と想像すると少し親しみやすいですね。

また、大学院生や研究プロジェクトの指導にも関わっていることが、謝辞つきの学位論文や論文本文からうかがえます。つまり、アマンダ・ダフィーさんは「自分で研究する人」であると同時に、「次の研究者を育てる人」でもあるわけです。心理学の世界でいうと、ただ知識を集める人ではなく、知識が育つ畑を手入れしている人、という感じです。

参考文献・確認先: Griffith University:Amanda Duffy 公式プロフィール / Griffith University スタッフディレクトリ:Dr Amanda Duffy / Griffith University:Amanda Duffy 研究業績一覧 / Google Scholar:Amanda Duffy 論文・引用情報 / ORCID:Amanda L. Duffy 研究者情報

阿部牧歌(管理人)
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アマンダ・ダフィー(Amanda Duffy)の研究から学べること

アマンダ・ダフィーさんの研究から学べることは、ひとことで言うと、「人間関係のトラブルは、突然ドカンと爆発するのではなく、小さな思い込みやすれ違いが積み重なって火種になる」ということです。

ダフィーさんは、オーストラリアのグリフィス大学で心理学を研究している方で、社会心理学や発達心理学の分野に関わっています。特に、子ども、若者、大人の人間関係、攻撃性、被害経験、親しい関係の中で起こるこじれなどに関心を持つ研究者として紹介されています。

さて、人間関係というものは、なかなかややこしいです。

「好き」という気持ちがあるから、必ず相手を大切にできるとは限りません。「心配しているから」と言いながら、相手の自由をぎゅうぎゅうに縛ってしまうこともあります。「あなたのため」と言いながら、実は自分の不安を相手に背負わせていることもあります。人間の心は、たまに親切そうな顔をした暴れ馬を飼っています。本人も気づかないうちに、パカラッパカラッと相手の領域へ走り込んでしまうのです。

ダフィーさんが関わった研究の一つには、親密な相手への「しつこい接近」や「望まれない追いかけ行動」に関するものがあります。これは、恋人や元恋人などに対して、相手が望んでいないのに連絡を続けたり、関係を取り戻そうとして行動がエスカレートしたりする問題です。その研究では、そうした行動を「関係を求める目標にとらわれすぎた状態」として考え、思い込み、反すう、感情の高ぶり、自己正当化などが関わると説明されています。

ここから学べるのは、「自分の気持ちが強いこと」と「相手を大切にしていること」は、同じではないということです。

これは、かなり重要です。

たとえば、「どうしても会いたい」「返事がほしい」「わかってほしい」という気持ちは、人間なら誰にでもあります。寂しいとき、傷ついたとき、相手の反応が気になって仕方ないとき、心の中の郵便受けを何度も開けたり閉めたりします。「まだ返事来てないかな」「いや、もしかして通知がおかしいのかも」「一応もう一回送ってみる?」と、スマホが恋愛相談所の受付窓口みたいになります。

でも、ここで大切なのは、相手にも相手の気持ち、都合、境界線があるということです。自分の気持ちが本物でも、相手が望んでいない行動を続ければ、それは相手にとって負担になります。こちらの「愛情」のつもりが、相手には「圧力」として届くことがある。心の宅配便は、送り主のラベルだけでは決まりません。受け取る側がどう感じるかも、とても大切なのです。

ダフィーさんの研究が教えてくれるのは、人間関係の問題を「悪い人が悪いことをする」という単純な話だけで片づけない視点です。もちろん、相手を傷つける行為は許されません。けれど、その背景には、「自分は正しい」「相手も本当は望んでいるはず」「もう少し押せばわかってくれるはず」という、都合のよい物語が入り込むことがあります。心の中の脚本家が、勝手にラブストーリーを書き換えてしまうのです。困った脚本家です。早めに編集会議が必要です。

この「自己正当化」は、日常にもよく出てきます。

「心配だから言っているだけ」
「相手のためを思っているだけ」
「自分は悪気がない」
「これくらい普通でしょ」

こういう言葉は、ときどき心の防弾チョッキになります。自分の行動を見直す痛みから守ってくれる。でも、守りすぎると、相手の痛みに気づけなくなります。自分の正しさに包まれて、相手の「つらい」「やめてほしい」「距離を置きたい」が聞こえなくなる。これは、人間関係がこじれる大きな入口です。

だから、ダフィーさんの研究から生活に持ち帰れる知恵は、「自分の気持ちを大事にしながら、相手の境界線も同じくらい大事にする」ということです。

境界線というと、なんだか冷たい言葉に聞こえるかもしれません。でも、本当は逆です。境界線は、人間関係を壊さないためのやわらかい柵です。畑に柵があるから、野菜が踏み荒らされずに育つように、人と人との間にも「ここから先は相手の領域ですよ」という見えない線が必要です。その線を守るからこそ、安心して近づけるのです。

また、ダフィーさんの研究は、若者の心の健康や、友人・家族・周囲の人との関係が幸福感にどう影響するかという視点にもつながっています。公開されている研究者情報では、子どもや若者の幸福感に対して、友人や親などの社会的な文脈がどう関わるかに関心があると紹介されています。

これは、支援や教育の現場にも大きなヒントになります。

人は、ひとりだけで元気になったり、ひとりだけで不調になったりするわけではありません。周囲との関係の中で、安心したり、不安になったり、自信を持ったり、自分を守るために攻撃的になったりします。つまり、人の行動を見るときは、「その人だけ」を見るのではなく、「その人がどんな関係の中にいるか」を見ることが大事なのです。

たとえば、攻撃的な言い方をする人がいたとします。もちろん、その言い方をそのまま許してよいわけではありません。でも、「なんでそんな言い方をするの?」だけで終わると、原因のしっぽをつかみそこねることがあります。その人は不安なのかもしれない。拒絶されるのが怖いのかもしれない。自分の思い通りにならないと、見捨てられたように感じるのかもしれない。あるいは、これまでの人間関係の中で、強く出る方法しか学べなかったのかもしれない。

人の行動には、たいてい背景があります。背景を見ずに表面だけ叩くと、もぐらたたきみたいになります。叩いても叩いても、別の穴から問題が顔を出します。必要なのは、もぐらの気持ちになることではありませんが、少なくとも「なぜこの穴から出てくるのか」を見ることです。

アマンダ・ダフィーさんの研究から学べることをまとめるなら、「人間関係のこじれは、感情、思い込み、環境、相手との距離感がからみ合って生まれる」ということです。

だからこそ、私たちは人間関係で苦しくなったとき、こう問い直してみるとよいのだと思います。

「私は今、相手を見ているのか。それとも、自分の不安だけを見ているのか」

「この行動は、相手にとっても心地よいものなのか」

「自分の中の“正しさ”が、相手のしんどさを見えなくしていないか」

こう考えるだけで、人間関係のブレーキが少し効きやすくなります。心の車は、アクセルだけでは危ないです。ブレーキとミラーも必要です。しかも、たまにウインカーも出したほうがいい。急に距離を詰められると、相手はびっくりしますからね。

ダフィーさんの研究は、私たちに「人との関係を大切にするなら、自分の気持ちの強さだけで突っ走らないこと」を教えてくれます。大切なのは、思いをぶつけることではなく、相手が受け取れる形に整えること。近づきたいときほど、相手の一歩引く権利を尊重すること。愛情や心配という名前の荷物を、相手の玄関に勝手に山積みしないことです。

人間関係は、力ずくでこじ開ける扉ではありません。ノックして、返事を待って、相手のペースも見るものです。

アマンダ・ダフィーさんの研究は、その当たり前だけど忘れやすい作法を、心理学の灯りで照らしてくれているように感じます。人を大切にするとは、近づくことだけではない。ときには、踏み込まないことも、大切にすることなのです。

阿部牧歌(管理人)
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アマンダ・ダフィー(Amanda Duffy)の論文一覧

1.『自分へのやさしさを書くことは、見た目の悩みを軽くできるのか-セルフ・コンパッションと自尊感情の書く課題の効果』ヴェヤ・シーキス、グレアム・L・ブラッドリー、アマンダ・ダフィー(2017)

Seekis, V., Bradley, G. L., & Duffy, A.(2017). The effectiveness of self-compassion and self-esteem writing tasks in reducing body image concernsBody Image, 23, 206-213. DOI: 10.1016/j.bodyim.2017.09.003

「鏡を見て、うーん今日はちょっと自分に厳しすぎるかも……」そんな場面に、論文がそっと割って入ってきます。この研究は、体への不満が刺激されたあとに“自分にやさしく書く”課題と“自信を高めるように書く”課題を比べたもの。結果は、セルフ・コンパッションの書く課題が、体への見方をより前向きにしやすい、というなかなか頼もしい内容でした。たった一回の書く作業で、心の向きが少し変わる。その手ごたえが気になって、続きを読みたくなる論文です。

阿部牧歌(管理人)
阿部牧歌(管理人)
この論文の要約を読む
【心理学論文】なぜ人は見た目に悩みすぎてしまうのか? 研究が示したセルフ・コンパッションの可能性
【心理学論文】なぜ人は見た目に悩みすぎてしまうのか? 研究が示したセルフ・コンパッションの可能性
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