マンフレート・シュミット(Manfred Schmitt)の論文一覧:心のクセも社会のしくみも、まじめに見つめた研究たち
マンフレート・シュミット(Manfred Schmitt)のプロフィール
マンフレート・シュミットは、ドイツの心理学者で、パーソナリティ、感情、正義、公平感、心理測定あたりを長く研究してきた人物です。公開プロフィールでは、コブレンツ=ランダウ大学に所属していた研究者として示されており、Google Scholar では研究分野としてパーソナリティ、正義、感情が挙げられています。ResearchGate では名誉教授、最近の論文著者紹介ではカイザースラウテルン=ランダウ大学のパーソナリティ心理学および心理アセスメントの名誉教授とされています。
この人は、「人はなぜ不公平にムッとするのか」
「自分や他人の“それ、ずるくない?”に、心はどう反応するのか」
みたいなテーマを、ふわっとした感想で済ませず、きっちり研究にしてきたタイプです。研究関心としては、社会的正義、社会的感情、利他性、態度と行動の一貫性、潜在状態特性理論などが挙げられています。つまり、心の中のもやもやを、「まあ人間だからね」で終わらせず、論文で追いかける学者さんです。
しかも、ただ「人の気持ち」を眺めるだけではなく、心理学でどう正確に測るかにもかなり関心があるようです。SAGE の著者紹介では、コブレンツ=ランダウ大学でパーソナリティ心理学と心理アセスメントを教えていた退職教授とされ、研究関心には公正感受性、客観的パーソナリティ評価、暗黙的傾向と明示的傾向の一貫性や相互作用などが含まれています。つまり、「心は複雑です」で終わらせず、「では、その複雑さをどう測るのですか?」まで踏み込む人です。なかなか本気です。
以下に収録している自己肯定感の論文でも、マンフレート・シュミットは共著者として参加しています。あの論文では、ウルリッヒ・オルト、ユルゲン・メースとともに、ドイツの大規模データを使って自己肯定感の生涯発達を追っています。なのでこの人は、「正義」や「不公平感」の研究者というだけでなく、人が自分をどう感じながら人生を歩くのかにも手を伸ばしている研究者だと言えます。

1.『自己肯定感は人生を通してどう育っていくのか ドイツの大規模縦断調査が明かした生涯発達の軌跡』ウルリッヒ・オルト、ユルゲン・メース、マンフレート・シュミット(2015)
Ulrich Orth, Jürgen Maes, Manfred Schmitt(2015)“Self-esteem development across the life span: A longitudinal study with a large sample from Germany”
「自己肯定感って、若いうちにだいたい決まって、そのまま一生いくんでしょ?」と思っている人に、この論文はけっこう静かに反論してきます。いやいや、人の心はそんなに早く完成しませんよ、と。ドイツの大規模データを使って、自己肯定感が人生の中でどう変わるかを追ってみると、若い時期から中年にかけてじわじわ育ち、その後はまた少しずつ下がる傾向が見えてきました。つまり、自己肯定感にも人生の季節がある。今の自分を“固定キャラ”だと思いがちな人ほど、ちょっと読んでみたくなる論文です。

