ウィリアム・R・レンダーキング(William R. Lenderking)の論文一覧:患者さんの本音をデータに変える、QOL研究の聞き耳さんぽ

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ウィリアム・R・レンダーキング(William R. Lenderking)のプロフィール

ウィリアム・R・レンダーキングさんは、ざっくり言うと、「患者さんの声を、研究でちゃんと使える形に整える専門家」です。

病院や薬の研究では、血液検査の数値や画像検査の結果など、いわゆる“数字で見えるデータ”がよく使われます。でも、レンダーキングさんが注目してきたのは、そこだけではありません。

「この薬を飲んで、生活は楽になったのか?」
「症状は少し良くなったけれど、毎日はどれくらい過ごしやすくなったのか?」
「患者さん本人は、本当にその変化を意味のあるものだと感じているのか?」

こういう、医療の白衣のポケットからこぼれ落ちがちな“本人の実感”を、きちんと研究のテーブルにのせようとしてきた人です。いわば、医学研究界の“患者さんの本音メモ係”。ただし、ただメモするだけではなく、「その声をどう測るか」「どう比べるか」「どれくらい変わったら意味があると言えるか」まで考える、かなり職人肌の研究者です。

アメリカ心理学会の紹介記事では、レンダーキングさんは、患者さんが病気をどう経験しているか、薬にどれくらい満足しているかを調べる成果研究を率いる人物として紹介されています。つまり、薬や治療を「効いた、効かない」だけで終わらせず、“その人の暮らしの中で、どんな意味を持ったのか”まで見に行く研究者ということですね。

経歴としては、製薬会社ファイザーに所属していた時期があり、治療への満足度に関する論文も発表しています。論文情報では、当時の所属としてファイザーの名前が確認できます。 また、認知機能の軽い低下がある人の自己報告に関する研究では、ユナイテッド・バイオソース社に所属していたことも確認できます。

研究テーマとして多いのは、生活の質、患者さん本人による報告、治療満足度、病気による日常生活への影響、ものさし作りといった分野です。たとえば、希少疾患の患者さんの生活の質をどう測るかという論文にも関わっています。希少疾患は患者数が少なく、症状も人によって違いやすいため、「普通のものさしでは測りにくい」という難しさがあります。そこにレンダーキングさんは、「では、患者さんの実感をどう研究に反映させるか」という形で切り込んでいます。

さらに、患者さんが答える質問票などについて、「どれくらい点数が変わったら、本当に意味のある変化と言えるのか」を考える研究にも関わっています。これは地味に見えて、医療研究ではかなり大事です。たとえば、体調スコアが3点上がったとして、それが「お、人生ちょっと軽くなったぞ」なのか、「誤差の妖精が踊っただけ」なのかを見分ける必要があるからです。

また、ランド研究所の著者ページにも名前があり、患者中心の成果研究や、患者さんが答える評価尺度の最低基準に関する文献に関わっていることが確認できます。

まとめると、ウィリアム・R・レンダーキングさんは、医療の世界で「患者さん本人の声」を大切な研究データとして扱うための方法を考えてきた研究者です。お医者さんのカルテには書ききれない、「朝起きるのが少し楽になった」「外に出る気力が戻った」「薬は効いているけど副作用がしんどい」といった小さな生活の声を、研究の世界に連れてくる人。派手なヒーローというより、患者さんの暮らしの足音を聞き逃さない、白衣のすき間にいる“聞き耳の達人”という感じです。

参考文献・確認先:アメリカ心理学会:William Lenderking 紹介記事 / RAND Corporation:William R. Lenderking 著者ページ / Google Scholar:William R. Lenderking 論文・引用情報 / PubMed:William R. Lenderking 関連論文

阿部牧歌(管理人)
阿部牧歌(管理人)

ウィリアム・R・レンダーキング(William R. Lenderking)の研究から学べること

ウィリアム・R・レンダーキングさんの研究から学べることは、ひとことで言うと、「医療で本当に大事なのは、検査の数字だけではなく、患者さん本人が“どう感じて、どう暮らしているか”をちゃんと聞くこと」だと思います。

病院では、血液検査、画像検査、血圧、心拍数など、いろいろな数字が出てきます。もちろん、それらはとても大切です。体の中で何が起きているのかを知るための、いわば医療界の虫めがねです。でも、数字だけでは見えないものがあります。

たとえば、検査結果は少し良くなっている。でも本人は「体がだるくて、仕事に行くのがつらい」「薬の副作用で気分が落ちる」「家族との時間が楽しめなくなった」と感じている。こういうことは、検査の数字だけを見ていると、診察室のすみっこに置き忘れられてしまうことがあります。まるで、カレーを作ったのに福神漬けだけ忘れたようなものです。いや、福神漬けどころではありません。患者さんの実感は、医療の主役級です。

レンダーキングさんは、患者さん自身が答える健康状態や生活の質の評価に関する研究に多く関わってきた研究者です。こうした評価は、患者さん本人の視点から健康状態を集める質問票であり、治療の効果や負担を考えるうえで重要だと説明されています。

ここで大切なのは、「患者さんの声は、ただの感想ではない」ということです。

「痛いです」「眠れません」「外出が不安です」「前より生活がしづらいです」。こうした声は、ふわっとした気分の話に見えるかもしれません。でも、研究の形に整えることで、医療にとって大切な情報になります。患者さんの声を、ただのつぶやきで終わらせず、治療や支援の判断に使える“データ”として扱う。レンダーキングさんの研究は、その橋をかけているように見えます。

この視点、かなり人間味があります。

医療の世界では、どうしても「病気をどう治すか」に目が向きます。それは当然です。でも、患者さんにとっては、「病気が少し良くなったか」だけでなく、「今日をどう過ごせるか」「好きなことができるか」「人と会えるか」「自分らしさが残っているか」も大事です。病気の治療は、体の修理だけではなく、生活の再建でもあります。壊れた屋根を直すだけでなく、その家でまた安心してお茶を飲めるようにすることが大切なのです。

レンダーキングさんたちが関わった研究には、患者さんが感じる症状や生活の質を測る方法を作ったり、評価したりするものがあります。たとえば、まれな病気の患者さんの生活の質を測る研究では、患者さん本人から直接得られる情報の大切さが扱われています。

これは、特にまれな病気ではとても重要です。患者数が少ない病気では、医療者側にも情報が十分でないことがあります。だからこそ、「実際にその病気と暮らしている人の声」が大きな意味を持ちます。教科書には数行しか載っていない症状でも、本人にとっては毎日の生活を左右する大問題かもしれません。患者さんの声は、医療の地図にまだ描かれていない道を教えてくれるのです。

ここから学べる一つ目のことは、「本人に聞かないとわからないことがある」ということです。

これは医療だけでなく、支援の現場や職場でも同じです。周りから見ると「元気そう」に見える人でも、本人はかなり無理をしているかもしれません。逆に、表情が暗く見える人でも、本人なりに少し回復している途中かもしれません。外から見える姿だけで判断すると、心の天気予報を外します。晴れて見えても、本人の内側では小雨が降っていることがあります。

だから、「どう見えるか」だけではなく、「本人はどう感じているか」を聞くことが大切です。

二つ目の学びは、「よい支援とは、本人の生活に着地している支援である」ということです。

たとえば、治療の効果を考えるとき、「症状が何点下がったか」だけではなく、「階段を上れるようになったか」「夜眠れるようになったか」「人と話す気力が戻ったか」「外に出る不安が減ったか」を見る。すると、治療や支援の意味が、ぐっと生活に近づきます。数字が白衣を脱いで、台所や通勤路や寝室まで歩いてくる感じです。

レンダーキングさんの研究は、「患者さん中心の医療」という考え方にもつながります。患者さんが自分で報告する評価は、治療の効果や副作用を患者さんの視点から把握するために使われ、臨床試験でも大切な役割を持つとされています。

三つ目の学びは、「聞き方にも技術がいる」ということです。

ただ「どうですか?」と聞いても、相手は答えにくいことがあります。「まあ、ぼちぼちです」と返ってきて、そこで会話終了。心の扉が、半開きのまま風で閉まることがあります。そこで、質問票や評価尺度が役に立ちます。

「痛みはどのくらいありますか」
「日常生活で困っていることはありますか」
「気分の落ち込みはありますか」
「人との関わりに支障はありますか」

こうして具体的に聞くことで、本人も自分の状態を整理しやすくなります。質問は、相手を詰める道具ではなく、心と生活を照らす懐中電灯になるのです。

ただし、ここで大切なのは、質問票を取ればそれで終わりではないということです。紙に丸をつけてもらって、「はい、回収しました。以上です」では、患者さんの声がアンケート箱の中で冬眠してしまいます。大事なのは、その結果をどう読み、どう支援や治療に生かすかです。声を集めるだけでなく、声に応答すること。ここが本番です。

レンダーキングさんの研究から日常に持ち帰れる考え方は、とてもシンプルです。

「相手の状態を、本当に知りたいなら、本人に聞こう」

これです。

支援の現場でも、職場でも、家庭でも、私たちはつい相手を見た目や行動で判断しがちです。「大丈夫そう」「やる気がなさそう」「困っていなさそう」「わかっているはず」。でも、その“はず”が、なかなか曲者です。心の中の勝手な予測係が、今日もせっせとハンコを押しています。「たぶん大丈夫でしょう」と。でも実際には、大丈夫ではないことがあります。

だからこそ、本人の声を聞く。しかも、ただ聞くだけではなく、答えやすい形で聞く。聞いたことを支援に反映する。これが大切です。

ウィリアム・R・レンダーキングさんの研究から学べることをまとめるなら、「医療や支援は、専門家が見る世界と、本人が生きている世界の両方を合わせて考える必要がある」ということです。

専門家の知識は大切です。でも、本人の実感も同じくらい大切です。検査の数字は大切です。でも、その人が朝起きて、服を着て、仕事に行き、人と話し、眠りにつくまでの生活も大切です。医療の目的は、数字をきれいに並べることだけではありません。その人が少しでも自分らしく暮らせるようにすることです。

患者さんの声は、医療の“おまけ”ではありません。むしろ、治療の地図に色をつける大事な絵の具です。レンダーキングさんの研究は、その声をちゃんと聞き、測り、活かすことの大切さを教えてくれます。

つまり、こういうことです。

「データを見るな」と言っているのではありません。
「データだけ見て、人を見忘れないでね」と言っているのです。

この違いは大きいです。数字は道しるべになります。でも、歩いているのは人間です。レンダーキングさんの研究は、医療や支援の場に、患者さん本人の声という“あたたかいコンパス”を持ち込んでくれる研究なのだと思います。

阿部牧歌(管理人)
阿部牧歌(管理人)

ウィリアム・R・レンダーキング(William R. Lenderking)の論文一覧

1.『不安障害の治療における、瞑想にもとづくストレス低減プログラムの効果』ジョン・カバットジン、アン・O・マシオン、ジーン・クリステラー、リンダ・ゲイ・ピーターソン、ケネス・E・フレッチャー、ロリ・プバート、ウィリアム・R・レンダーキング、サキ・F・サントレリ(1992)

Kabat-Zinn, J., Massion, A. O., Kristeller, J., Peterson, L. G., Fletcher, K. E., Pbert, L., Lenderking, W. R., & Santorelli, S. F. (1992). Effectiveness of a meditation-based stress reduction program in the treatment of anxiety disorders. American Journal of Psychiatry, 149(7), 936–943. DOI:10.1176/ajp.149.7.936

「不安で頭の中が大運動会です!」という人に、瞑想はどこまで効くのか?この論文では、不安障害やパニック障害の人たちに、マインドフルネスを中心としたストレス低減プログラムを行い、その変化を調べています。結果は、心の非常ベルが少し静かになったような印象。薬だけではない“心の整え方”を知りたい人には、なかなか気になる一皿です。

阿部牧歌(管理人)
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この論文の要約を読む
【論文要約】不安障害に瞑想は効くのか?ストレス低減プログラムの研究からわかった心の整え方
【論文要約】不安障害に瞑想は効くのか?ストレス低減プログラムの研究からわかった心の整え方
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