心理学の論文タイトル検索「W」:わかった気で開いたら、わからない自分まで見えてくる論文たち
「W」から始まる心理学の論文一覧
心理学論文タイトルにおける「W」とは?
心理学論文タイトルにおける「W」は、もしかすると「わかった気で開いたら、わからない自分まで見えてくる」の「W」かもしれません。
人の心について、私たちは意外と「まあ、だいたいわかっている」と思いがちです。自分のことも、相手のことも、仕事で疲れる理由も、人間関係でモヤッとする理由も、なんとなく説明できる気がする。心の引き出しに「これはこういうこと」とラベルを貼って、はい整理完了、と言いたくなるのです。
ところが心理学の論文タイトルを眺めていると、そのラベル貼りが急にあやしくなってきます。
「本当に、自分の気持ちは自分でわかっているんだろうか」
「なぜ、わかっているのに同じことで悩んでしまうんだろう」
「人はどんなときに働く意欲を失い、どんなときにまた動き出せるんだろう」
「世界の見え方は、心の状態によってどれくらい変わるんだろう」
こうした問いは、少しやっかいです。正面から見つめると、こちらの中にある「わかったつもり」まで、そっと照らしてきます。まるで心の部屋を掃除していたら、押し入れの奥から「未整理の気持ち」と書かれた段ボールが出てくるようなものです。しかも一箱ではありません。なかなかの在庫量です。
でも、そこが心理学のおもしろいところです。心理学は、「わからない」を失敗とは考えません。むしろ、「わからないところにこそ、研究の入口がありますね」と言って、虫めがねを手渡してくれます。働くこと、意志、幸福、心配、弱さ、世界の見方、そして人がどうやって自分や他者と向き合っていくのか。そうしたテーマを、ひとつずつ丁寧に見つめていくのです。
このページでは、「アドラーの昼寝」に収録している論文のうち、タイトルが「W」から始まる心理学論文を紹介しています。
「W」から始まる論文タイトルをたどっていくと、働き方、幸福感、心配、意志、ウェルビーイング、人との関わり、そして世界をどう感じるかといった、私たちの日常に深く関わるテーマが見えてきます。論文タイトルだけを見ると、少し硬そうに感じるかもしれません。「これは学者さんたちの秘密会議の議事録ですか?」と思うような言葉もあるでしょう。
けれど、その奥にあるのは、とても身近な心の動きです。やる気が出ない朝。誰かの言葉が気になって眠れない夜。頑張っているのに満たされない感じ。逆に、ふとした瞬間に「あ、今日は少し大丈夫かも」と思えること。そういう小さな心の変化も、心理学にとっては大切な研究の入口になります。
「W」の論文たちは、私たちに答えだけを渡すわけではありません。むしろ、「わかったつもりだったけれど、もう少し見てみよう」と思わせてくれます。心は、説明書どおりに動く機械ではありません。ときどき脱線し、ときどき黙り込み、ときどき急に元気を出す、不思議で手のかかる相棒のようなものです。
どうぞ、「W」から始まる論文タイトルを眺めながら、あなた自身の中にある「わかっているようで、まだわからないこと」にも、そっと目を向けてみてください。心理学の論文は、遠い研究室だけのものではありません。今日の疑問に名前をつけ、明日の自分を少し理解しやすくしてくれる、心の探検地図のようなものです。

自己理解・自己肯定感
- 『What constitutes vulnerable self-esteem?』Sowislo et al. (2014):『「傷つきやすい自己肯定感」とは何か? 低い自己肯定感・不安定な自己肯定感・条件つきの自己肯定感が、抑うつ症状にどう影響するかを比較した縦断研究』ジュリア・フリーデリケ・ソヴィスロ、ウルリッヒ・オルト、ラウレンツ・L・マイヤー(2014)
人間関係・コミュニケーション
- 『What do you do when things go right? The intrapersonal and interpersonal benefits of sharing positive events.』Gable, S. L., Reis, H. T., Impett, E. A., & Asher, E. R. (2004):『うまくいったとき、人は何をするのか? ポジティブな出来事を分かち合うことが、自分の心と人間関係にもたらす恵み』シェリー・L・ゲイブル、ハリー・T・リース、エミリー・A・インペット、エヴァン・R・アッシャー(2004)
仕事・学び・パフォーマンス
- 『Why Is It So Hard to Do My Work? The Challenge of Attention Residue When Switching Between Work Tasks.』Leroy, S.(2009):『なぜ、仕事に集中できないのか? タスクを切り替えても頭に残る「注意の残り香」という難敵』ソフィー・ルロワ(2009)