心理学の論文・著者検索「ら」:ラフに開いたつもりが、心のクセをきっちり見抜いてくる研究者たち
「ら」から始まる心理学の論文著者一覧
心理学における「ら」とは?
心理学における「ら」は、もしかすると「ラフに」の「ら」かもしれません。
「ラフに読もうと思っただけなのに、なぜか自分の心に当たっている」
「楽に生きたいのに、気づけば人の目を気にしている」
「らしくありたいのに、自分らしさって何だろうと迷ってしまう」
心理学には、そんなふうに軽く開いたはずのページから、急に心の奥をのぞかれるような瞬間があります。こちらは部屋着でコンビニに行くくらいの気持ちだったのに、研究者たちは「その考え方のクセ、少し見えてきましたよ」と、心のポケットから出し忘れていた感情まで見つけてきます。まったく油断なりません。心理学、ラフな顔をして、なかなかの観察名人です。
人の心は、自分でも気づかないクセをたくさん持っています。つい悪いほうに考えてしまうクセ。人に合わせすぎてしまうクセ。できていることより、できなかったことばかり数えてしまうクセ。頭では「そんなに気にしなくていい」と思っていても、心の中の小さな審査員が、勝手に採点表を広げていることがあります。しかもその審査員、少し辛口です。
でも、心理学はそのクセを責めるための学問ではありません。「あなたはこういう人です」と決めつけるのではなく、「なぜそう考えやすくなったのか」「どんな場面でそのクセが出やすいのか」「どうすれば少し楽に扱えるのか」を、ていねいに見ていきます。心のクセは、ただの欠点ではなく、これまで自分を守るために身についた反応かもしれません。昔は役に立っていた心の道具が、今は少し重たくなっているだけ、ということもあるのです。
このページでは、「アドラーの昼寝」に収録している人物のうち、名前が「ら」から始まる研究者を紹介しています。
「ら」から始まる研究者たちは、ラフに読める入口から入りながら、心のしくみをきっちり照らしてくれる案内人のような存在です。感情、ストレス、人間関係、自己理解、認知、やる気、幸福感、心の回復。そうしたテーマを通して、「なんとなくこう考えてしまう」「なぜか同じところでつまずく」「もっと自分らしくいたい」という気持ちに、少しずつ言葉を与えてくれます。
心のクセは、見えないうちは自分そのものに感じられます。「自分はダメだ」「自分は弱い」「自分は面倒な人間だ」と、まるごと自分を責めてしまうこともあります。でも、心理学にふれると、「これは自分そのものではなく、心の反応のひとつかもしれない」と見方が変わることがあります。クセとして見えると、少し距離ができます。距離ができると、変える余地も生まれます。
もちろん、心理学は一瞬で心を入れ替える魔法ではありません。けれど、心のクセに気づくための鏡にはなってくれます。鏡を見ると、寝ぐせがわかるように、心理学にふれると、考え方のクセや感情の偏りに気づけることがあります。気づいたからといって、すぐ完璧に直さなくても大丈夫です。まずは「あ、今このクセが出ているな」とわかるだけでも、心の中に小さな余白ができます。
このページをたどりながら、あなた自身の中にある「らしくありたい気持ち」や「楽になりたい心」にも、そっと目を向けてみてください。心理学は、遠い研究室だけにある学問ではありません。今日のもやもやに名前をつけ、明日の自分を少し扱いやすくしてくれる、心のクセ取り鏡のようなものです。ラフに開いたつもりでも、気づけば少しだけ自分の心が見えてくる。そこが、心理学のおもしろいところなのです。

インド
- ラヴィ・ダール(Ravi Dhar):人が買い物をするとき、目標を立てるとき、そして「今日は特別だから」と自分を説得するとき、心の中で何が起きているのかを研究してきた心理学・消費者行動研究の専門家
スイス
- ラウレンツ・L・マイヤー(Laurenz L. Meier):仕事・人間関係・性格心理学が交差するあたりを主な研究テーマにしているスイスの心理学者
ドイツ
- ラルフ・トーマス・クランペ(Ralf Thomas Krampe):人が長い練習を重ねて一流になっていく過程や、年齢を重ねても身につけた技を保てる仕組みを研究してきた心理学者