ネッタ・ワインスタイン(Netta Weinstein)の論文一覧:「人は“ちゃんと聞いてもらえる”だけで、心の背筋がすっと伸びる。自律性と幸福感を追いかける心理学の探検記」

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ネッタ・ワインスタイン(Netta Weinstein)のプロフィール

ネッタ・ワインスタインさんは、ひとことで言うと、「人は、どんなときに自分らしく動けるのか?」を、かなり本気で追いかけている心理学者です。

現在は、イギリスのレディング大学で心理学の教授を務めています。専門は、人間のやる気、幸福感、自己調整、行動の変化、孤独、人間関係、偏見やスティグマ、感情のコントロール、そして「聞くこと」の心理学などです。つまり、研究テーマだけ見ると、心の食堂で「やる気定食」「孤独ラーメン」「人間関係カレー」「傾聴プリン」まで出しているような、なかなか幅広い研究者です。

ワインスタインさんの研究でおもしろいのは、「人は、外からグイグイ押されると、むしろ反発することがある」という点をきちんと調べているところです。たとえば、命令口調やコントロールされている感じがあると、人は「はい、やります!」ではなく、心の中で小さな反抗軍が旗を上げることがあります。彼女はそうした“やる気の火加減”を、感情論ではなく、実験や調査で見ていくタイプの研究者です。

また、ワインスタインさんは「孤独」についても深く研究しています。ここでいう孤独は、ただの「ぼっちで寂しい」という話だけではありません。一人の時間には、人を回復させる面もあれば、しんどくさせる面もあります。まるで塩みたいなもので、ちょうどよければ味が整うけれど、多すぎると心のスープがしょっぱくなる。彼女は、日常の中で一人の時間と人と過ごす時間のバランスが、幸福感にどう関わるのかを調べています。

さらに、「よく聞いてもらうこと」の力にも注目しています。人は、自分の話をちゃんと聞いてもらえると、「自分で考えていいんだ」「自分の気持ちには意味があるんだ」と感じやすくなります。つまり、傾聴はただの相づち職人芸ではなく、相手の心の背筋をそっと伸ばす行為でもあるわけです。ワインスタインさんの研究は、この“聞くこと”が人の自律性や自己肯定感、関係性にどう効いてくるのかを明らかにしようとしています。

学歴としては、サンディエゴ州立大学で心理学を学び、その後、ロチェスター大学で臨床心理学の修士号と博士号を取得しています。ロチェスター大学といえば、自己決定理論という「人は押しつけられるより、自分で選べると元気になるよね」という考え方で有名な流れがあります。ワインスタインさんの研究にも、その香りがしっかりあります。

研究者としてのキーワードを日本語で言いかえるなら、**「やる気」「自分らしさ」「心の自由」「人とのつながり」「一人時間」「聞いてもらうこと」**あたりです。どれも、専門用語の白衣を脱がせると、私たちの日常にかなり近いテーマです。「やる気が出ない」「一人でいたいけど寂しい」「人に話を聞いてほしい」「言われた通りにするのがなんか嫌だ」など、誰の心にもある小さなモヤモヤを、研究室の明かりの下にそっと置いて観察している人、と言えるでしょう。

ネッタ・ワインスタインさんは、心を無理やり前向きにする研究者ではありません。むしろ、「人が自然に前を向ける条件って何だろう?」と考える研究者です。外から背中をドンと押すのではなく、本人の中にある小さなエンジンが、どうすれば静かに動き出すのかを見ている。そんな、心理学界の“心の整備士”のような存在です。

参考文献・確認先:ネッタ・ワインスタイン 公式プロフィール / Google Scholar:ネッタ・ワインスタイン 論文・引用情報 / PubMed:Netta Weinstein 関連論文

阿部牧歌(管理人)
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1.『質の高い傾聴は、偏見について語る人の「自分で考える力」と「自尊心」を支える』ガイ・イツチャコフ、ネッタ・ワインスタイン(2021)

Itzchakov, G., & Weinstein, N. (2021). High-Quality Listening Supports Speakers’ Autonomy and Self-Esteem when Discussing Prejudice. Human Communication Research, 47(3), 248–283. DOI:10.1093/hcr/hqab003

この論文は、ざっくり言うと「ちゃんと聞いてもらえると、人はちょっと勇敢になるのでは?」という研究です。テーマは偏見についての話し合い。なかなか心の机がガタガタしやすい話題ですが、相手がしっかり耳を傾けてくれると、話し手は「自分で考えて話している」という感覚や、自分への信頼を保ちやすくなることが示されています。つまり、良い聞き手はただの相づちマシーンではありません。相手の心に、そっと安全ベルトをつける存在なのです。

阿部牧歌(管理人)
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この論文の要約を読む
【心理学論文】よく聴いてくれる人がいるだけで、人はなぜ安心して話せるのか?
【心理学論文】よく聴いてくれる人がいるだけで、人はなぜ安心して話せるのか?

2.『つながりは傷を癒す:社会的拒絶を打ち明けたあと、「聴いてもらえた」と感じることが語り手の孤独感をやわらげる』ガイ・イツチャコフ、ネッタ・ワインスタイン、ドヴォリ・サルク、モティ・アマール(2023)

Itzchakov, G., Weinstein, N., Saluk, D., & Amar, M. (2023). Connection Heals Wounds: Feeling Listened to Reduces Speakers’ Loneliness Following a Social Rejection Disclosure. Personality and Social Psychology Bulletin, 49(8), 1273–1294. DOI: 10.1177/01461672221100369

この論文は、「人から拒絶された話をしたあと、ちゃんと聞いてもらえると孤独は軽くなるの?」を調べた研究です。実験では、参加者に仲間外れや拒絶された経験を話してもらい、聞き手の態度によって気持ちがどう変わるかを比較しました。すると、うなずきや関心をもって“質高めに聞いてもらった人”ほど、孤独感がやわらいだのです。つまり、心がしょんぼり体育座りしているとき、必要なのは正論のラッパではなく、「うんうん」と受け止める耳の座布団。読むと、聞くことの威力がじんわり見えてきます。

阿部牧歌(管理人)
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この論文の要約を読む
【論文要約】「ちゃんと聴いてもらえた」感覚の研究からわかった、孤独感がやわらぐ意外なしくみ
【論文要約】「ちゃんと聴いてもらえた」感覚の研究からわかった、孤独感がやわらぐ意外なしくみ

3.『親しい人との難しい会話で、人を前向きに動かす「聴く力」』ネッタ・ワインスタイン、ガイ・イツチャコフ、ニコール・レゲイト(2022)

Weinstein, N., Itzchakov, G., & Legate, N. (2022). The motivational value of listening during intimate and difficult conversations. Social and Personality Psychology Compass, 16(2), e12651. DOI:10.1111/spc3.12651

「話を聴く」って、ただ耳を開けて座っているだけではありません。相手の心に「ここで本音を出しても大丈夫ですよ」と、ふかふかの座布団を敷くような行為です。この論文は、親しい人との気まずい会話や難しい話し合いで、よく聴いてもらうことが、安心感や自分らしく話す力、前向きな気持ちをどう育てるのかを紹介しています。傾聴、地味に見えて人間関係界の名脇役です。

阿部牧歌(管理人)
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【論文要約】「聴く力」の研究からわかった、人が前向きに変わる意外なしくみ
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