ヘンチェン・ダイ(Hengchen Dai)の論文一覧:人が「今日から変わる」と言い出す日を、カレンダーの陰から観察した研究者

ヘンチェン・ダイ(Hengchen Dai)の論文を読む女性
adler-nap

ヘンチェン・ダイ(Hengchen Dai)のプロフィール

ヘンチェン・ダイ(Hengchen Dai)は、人間の「今日から本気を出します」という宣言を、ただの気合いや景気のよい掛け声として片づけず、研究対象にしてしまった行動科学者です。

「どうして人は、お正月になると運動を始めたくなるのか」
「なぜ月曜日には、先週より少し立派な自分になれる気がするのか」
「誕生日を迎えただけなのに、人生まで新しくなったように感じるのはなぜか」

普通の人なら、「まあ、気分の問題でしょう」でお茶を濁すところです。しかしダイは、その“気分の問題”に研究用の虫眼鏡を向けました。

そして見つけたのが、過去の自分と現在の自分を心理的に区切ることで、目標に向かう意欲が高まりやすくなる「新しい出発の効果」です。

つまり、カレンダーは日付を教えるだけの紙ではありません。ときどき人間の背中を、そっと押してくるのです。

8歳で掲げた、少々よくばりな将来の夢

ヘンチェン・ダイは、小学生のころ、先生から将来の夢を尋ねられました。

当時8歳だった彼女の答えは、「科学者」「教師」「外交官」の三つだったそうです。

一つに絞る気配がありません。夢の三点盛りです。

しかし大人になったダイは、結果としてこの三つをかなり見事にまとめています。人間の行動を調べる研究者として科学に向き合い、大学では学生に教え、国や文化の異なる人々が集まる教育の場で知識を伝えています。

子どものころの夢は、必ずしも一つの職業名に変換されるわけではありません。いくつかの願いが混ざり合い、その人らしい仕事になっていくこともある。ダイの歩みは、そんなことを教えてくれます。

心理学と経済学を、同じ机に座らせる

ダイは北京大学で心理学と経済学を学び、2015年にペンシルベニア大学で博士号を取得しました。その後、セントルイス・ワシントン大学で教員を務め、2017年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校の経営大学院へ移りました。現在は、組織や人間の意思決定について研究する准教授です。

心理学は「人はなぜ、そう思うのか」を考えます。
経済学は「人は何を選び、どう行動するのか」を考えます。

ダイの研究は、その二つの学問に同じテーブルを囲ませ、「さて、人間はなぜ、わかっているのに動かないのでしょう」と会議を始めるようなものです。

健康のためには運動したほうがよい。
将来のためには貯金したほうがよい。
仕事は早めに始めたほうがよい。

頭では、だいたいわかっています。

それでも人間は、ソファから立ち上がらず、お菓子の袋を開け、締め切りの前日に突然ものすごい集中力を発揮します。ダイが研究しているのは、こうした「わかっている自分」と「実際に動く自分」のあいだにある、少し困った溝なのです。

月曜日は、人生の小さな元日かもしれない

ダイの名を広く知らしめたのが、「新しい出発の効果」に関する研究です。

人は、新年、新しい月、新しい週、誕生日、学期の始まり、祝日の翌日など、時間の区切りを迎えたあとに、目標へ向かう行動を始めやすくなります。

たとえば、食生活について調べる人が増えたり、運動施設を利用する人が増えたり、自分の目標を実行すると宣言する人が増えたりします。

なぜでしょう。

時間の区切りが、「昨日までの自分」と「これからの自分」のあいだに、心理的な仕切りを置いてくれるからです。

「先週の私は、少々だらしなかった」
「しかし今週の私は、まだ何も失敗していない」
「つまり今週の私は、可能性に満ちている」

人間の心は、なかなか都合よくできています。

しかし、この都合のよさは悪いものではありません。過去の失敗をいつまでも背負わず、もう一度やり直すための大切な仕組みでもあります。

元日まで待たなくても、月曜日がある。
月曜日を逃しても、来月がある。
来月を逃しても、誕生日や季節の変わり目がある。

人生には、思っている以上にたくさんの「やり直し口」が用意されているのです。

研究室だけではなく、現実の世界で確かめる

ダイの研究の特徴は、大学の研究室だけで人間の行動を調べるのではなく、企業、学校、医療機関、インターネット上のサービスなどと協力し、現実の場で大規模な実験を行うことです。

実際の利用者や働く人たちを対象に、「どんな伝え方なら行動しやすくなるのか」「どの仕組みなら健康によい選択を後押しできるのか」を確かめています。

ここで大切なのは、ダイが「人を強く説得すればよい」と考えているわけではないことです。

人間は、「絶対にやりなさい」と言われると、心の中の小さな反抗期が起きることがあります。

そこで、命令するのではなく、よい行動を選びやすい環境を整える。階段を上るのが大変な人に「根性を出せ」と叫ぶのではなく、階段の横に手すりをつける。ダイが目指しているのは、そのような支援です。

彼女は、行動科学の知識を生かして、医療の質を高める仕組みを考える研究組織の共同責任者も務めています。健康診断や予防接種など、人々にとって利益のある行動を、無理なく選びやすくする方法を研究しているのです。

「効きました」で終わらない研究者

行動を後押しする方法は、ときに魔法のように紹介されます。

「この一言で、みんなが動いた」
「この仕組みで、成績が上がった」
「この方法なら、健康になれる」

しかし現実の人間は、それほど単純な装置ではありません。同じ方法でも、ある人には効き、別の人には効かないことがあります。短期的には効果があっても、長期的には続かない場合もあります。

さらに、よかれと思って導入した仕組みが、思いがけない悪影響を生むこともあります。

ダイは、「何が効くか」だけでなく、「誰に効くのか」「どのような状況で効くのか」「あとになって困ったことは起きないか」まで確かめようとしています。

人を動かす方法を見つけて、そこで万歳をして研究を終えるのではありません。その方法が暴走していないか、帰り道まで見届けるのです。

やる気を、性格だけの責任にしない

私たちは、行動できないとき、自分を責めがちです。

「意志が弱い」
「根性がない」
「本気ではないから続かない」

けれどダイの研究を読むと、やる気は性格の中だけにあるものではないとわかります。

日付の区切り、周囲の期待、目標の見せ方、選択肢の数、行動を始める仕組み。私たちは、自分が思っている以上に、環境から影響を受けています。

これは、自分に甘くするための言い訳ではありません。

むしろ、「自分を叱り続ける以外にも、変わる方法はある」と気づくための視点です。

始められないなら、始めやすい日を選ぶ。
続かないなら、続けやすい仕組みを置く。
忘れるなら、思い出せる合図を用意する。

心を力ずくで引っぱるのではなく、心が歩きやすい道をつくるのです。

ヘンチェン・ダイは、人間の弱さを笑いものにする研究者ではありません。私たちが何度も先延ばしをし、何度も決意を忘れ、それでもまた「今度こそ」と立ち上がる、その不器用な姿を研究しています。

カレンダーをめくるだけで、人は少し新しくなれる。

もちろん、月曜日になった瞬間に腹筋が割れるわけではありません。しかし、「もう一度始めてもよい」と思えるだけで、人は昨日とは違う一歩を選べることがあります。

ダイの研究は、そんな小さな再出発に、科学の明かりを当てているのです。

参考文献・確認先:カリフォルニア大学ロサンゼルス校:ヘンチェン・ダイ公式プロフィール / ヘンチェン・ダイ公式研究サイト / Google Scholar:ヘンチェン・ダイ 論文・引用情報

阿部牧歌(管理人)
阿部牧歌(管理人)

ヘンチェン・ダイ(Hengchen Dai)の研究から学べること

ヘンチェン・ダイの研究から学べることは、ひとことで言えば、「人は意志の力だけで動いているわけではない」ということです。

私たちは何かを続けられないと、すぐに自分へ判決を下します。

「私は意志が弱い」
「根性が足りない」
「本気なら、もっとできるはずだ」

心の中に、小さな裁判官が住んでいるのです。しかもこの裁判官、事情聴取をほとんどしません。寝不足でも、仕事が忙しくても、目標が大きすぎても、おかまいなしです。

「続かなかった。よって有罪」

ずいぶん仕事の早い裁判官です。

けれど、ヘンチェン・ダイの研究を知ると、行動できない理由を性格だけに押しつけなくてよいとわかります。人の行動は、日付の区切り、周囲からの伝え方、目標を思い出すきっかけ、選択しやすい環境など、さまざまな条件に左右されています。

つまり、自分を力ずくで変えようとする前に、「動きやすい舞台を用意できないだろうか」と考えてみることが大切なのです。

学べること1 やり直しに、立派な理由はいらない

ダイの代表的な研究から学べるのは、人は時間の区切りをきっかけに、過去の失敗から少し離れられるということです。

新年、新しい月、月曜日、誕生日、引っ越し、転職、季節の変わり目。

こうした日は、ただ日付が変わっただけとも言えます。しかし心の中では、「ここまで」と「ここから」の境界線が引かれます。

たとえば、日曜日の夜に食べすぎたとしましょう。

そのとき、

「私は食生活を整えられない人間だ」

と考えると、失敗が自分の性格にまで広がってしまいます。

ところが月曜日になると、

「先週は少し乱れた。でも今週は、まだ始まったばかりだ」

と考えやすくなります。

昨日までの自分と、今日からの自分のあいだに、薄い仕切りが置かれるのです。もちろん、月曜日になった瞬間に冷蔵庫から野菜が飛び出し、勝手に健康的な料理を作ってくれるわけではありません。

それでも、「また始めていい」という感覚は生まれます。

ここで大切なのは、やり直しを一年に一度のお正月まで待たなくてよいことです。

「来年こそ頑張ります」と言ってしまうと、カレンダーが大仕事を背負わされます。お正月も大変です。運動、勉強、貯金、早寝早起き、部屋の片づけ。人間の決意が、元旦の玄関に大行列をつくっています。

けれど、本当は月の初めでも、週の初めでも、昼休みのあとでもかまいません。

「ここから仕切り直す」と決めた瞬間が、自分にとっての小さな元日になります。

失敗したあとに必要なのは、長い反省会ではなく、新しい出発点なのかもしれません。

学べること2 目標は、思い出さなければ存在しないのと同じ

人は、自分で決めた目標であっても、驚くほど簡単に忘れます。

「健康のために歩こう」
「今月は節約しよう」
「寝る前に本を読もう」

決めた瞬間は、なかなか立派です。心の中では音楽まで流れています。

ところが翌日になると、仕事の連絡が入り、洗濯物がたまり、動画を一本だけ見るつもりが七本になり、目標は静かに舞台袖へ引っ込みます。

人間の頭は、目標だけを大切に保管する金庫ではありません。仕事、予定、心配ごと、今夜の献立、昨日言われた少し嫌な一言などが、頭の中で席を取り合っています。

そこで重要になるのが、目標を思い出すきっかけです。

たとえば、

「毎日運動する」

だけではなく、

「仕事から帰って着替えたら、五分だけ歩く」

と決める。

「もっと勉強する」

ではなく、

「夕食後に机へ座ったら、教科書を一ページ開く」

と決める。

目標を、具体的な時間や行動と結びつけるのです。

行動できないとき、私たちは「やる気がなかった」と考えます。しかし実際には、やる気を発揮する場面まで目標を覚えていなかっただけかもしれません。

これは、目覚まし時計をかけずに朝寝坊して、「私は起きる意志が弱い」と落ち込むようなものです。

いや、まず時計をかけましょう、という話です。

自分を責めるより、思い出せる仕組みを置く。ダイの研究からは、そんな現実的な知恵を学べます。

学べること3 「いつか頑張る」を、カレンダーに着地させる

目標を立てるとき、人は大きな言葉を使いがちです。

「健康になる」
「成長する」
「人生を変える」
「自分らしく生きる」

どれも立派な言葉です。ただし、立派すぎて玄関から出られないことがあります。

「健康になる」と決めても、今日の午後三時に何をすればよいのかは、よくわかりません。

「人生を変える」と宣言しても、人生のどの部分が、何曜日の何時から工事に入るのか不明です。

目標は、具体的な行動に下ろして初めて動き始めます。

たとえば、

「健康になる」なら、「月曜日と木曜日の夕方に十五分歩く」。

「資格の勉強をする」なら、「土曜日の午前十時に問題集を三問解く」。

「貯金する」なら、「給料日の翌日に決まった金額を別の口座へ移す」。

こうすると、目標が空中から地面へ降りてきます。

人が行動を始められないのは、怠けているからではなく、最初の一歩が見えないからという場合があります。

山の頂上だけ見せられて、「さあ登ってください」と言われても困ります。

「まず、この石のところまで行きましょう」

と言われたほうが、足は動きやすいのです。

大きな目標を持つことは悪くありません。ただし、大きな目標には、小さな入口が必要です。立派な城にも、入るための扉があります。壁に向かって気合いを入れても、中には入れません。

学べること4 過去の自分を、永久保存しなくていい

人は失敗すると、それを一度の出来事ではなく、自分の正体として記憶してしまうことがあります。

「一回続かなかった」から、「私は何をやっても続かない」。

「面接でうまく話せなかった」から、「私は人前で話せない人間だ」。

「仕事で失敗した」から、「自分には能力がない」。

出来事が、いつの間にか人物紹介になっています。

しかし、ダイの研究が教えてくれるのは、過去の自分と現在の自分を少し切り離すことの大切さです。

もちろん、過去をなかったことにするわけではありません。

反省すべきことは振り返る。必要なら方法を変える。それでも、「前に失敗したから、次も必ず失敗する」と決めつける必要はありません。

人間は、失敗を未来へ持ち運ぶのが得意です。しかも手荷物料金を払わず、何個でも持っていきます。

「あのとき続かなかった」
「前にも無理だった」
「どうせまた同じだ」

気づけば、過去の失敗で両手がふさがり、新しいことを始める余裕がなくなっています。

そんなときは、時間の区切りを利用して、

「前回は前回。今回は条件を少し変えて試してみよう」

と考える。

これは、都合のよい忘れ方ではありません。未来を過去だけで決めないための、心の整理術です。

過去の自分は参考資料であって、判決文ではありません。

学べること5 人を動かす前に、動きやすい環境をつくる

ダイの研究は、自分自身の目標だけでなく、職場、学校、医療、支援の場でも役立ちます。

誰かに行動してほしいとき、私たちはつい言葉を強くします。

「もっと頑張ってください」
「自分から動きましょう」
「やる気を出してください」

しかし、「やる気を出してください」と言われて、やる気が玄関から急いで帰ってくるなら苦労はありません。

やる気は、呼び鈴を押せば出てくる宅配便ではないのです。

必要なのは、相手を責めることではなく、動きにくさを探すことです。

何をすればよいかわからないのか。
手順が多すぎるのか。
失敗するのが怖いのか。
忘れてしまうのか。
始める時間が決まっていないのか。
最初の一歩が大きすぎるのか。

たとえば、健康診断を受けてほしいなら、「受けてください」と繰り返すだけでなく、予約の方法を簡単にする。

研修へ参加してほしいなら、長い説明文を読ませるのではなく、日時と申込方法をわかりやすく示す。

仕事を覚えてほしいなら、「見て覚えて」ではなく、最初の手順を具体的に伝える。

行動できない人を「やる気がない人」と呼ぶのは簡単です。しかし、その人がつまずいている段差を見つけて低くするほうが、ずっと実用的です。

これは支援の場でも大切な考え方でしょう。

「本人が動かない」と考える前に、「動ける形になっているだろうか」と問い直す。

人を変えようとするのではなく、行動が起こりやすい条件を一緒につくるのです。

学べること6 背中を押す方法にも、相性がある

行動を促す工夫は、すべての人に同じように効くわけではありません。

ある人は、締め切りを示されると動きやすくなります。

別の人は、締め切りを見た瞬間に心のシャッターを閉めます。

ある人は、周囲から応援されると頑張れます。

別の人は、期待されるほど「失敗できない」と緊張します。

「この方法で人は動く」と聞くと、万能の魔法を見つけた気持ちになります。しかし人間は、それぞれ説明書の違う機械です。しかも本人も説明書を持っていません。

だからこそ、方法を一度試したら、結果を見る必要があります。

うまくいったか。
負担は増えていないか。
一時的な効果で終わっていないか。
本人は窮屈に感じていないか。

たとえば、毎日通知を送れば目標を思い出しやすくなります。しかし通知が多すぎると、やがて壁紙の模様と同じ扱いになります。

最初は「運動しましょう」という通知を見ていたのに、三週間後には指が自動的に消去しています。人間の適応力は、ときどき便利な方向とは逆に働きます。

行動を後押しする仕組みは、作って終わりではありません。

相手の反応を見ながら調整する。効かなければ別の方法に変える。その柔らかさが必要です。

学べること7 よい行動を促すなら、本人の自由も守る

人の行動を変える研究には、大きな可能性があります。

健康診断を受けてもらう。
薬を忘れずに飲んでもらう。
勉強を始めてもらう。
貯金を続けてもらう。

どれも本人の役に立つ行動です。

しかし、「本人のためだから」という言葉は、ときどき強くなりすぎます。

本人が望んでいないのに、巧みに誘導する。断りにくい状況をつくる。不安を強く刺激して行動させる。

それでは、背中を押しているのではなく、後ろから運んでいることになります。

行動を支える工夫は、本人が選べる形で使うことが大切です。

選択肢をわかりやすくする。
始めやすくする。
忘れにくくする。
それでも、最終的に選ぶのは本人にする。

よい支援とは、本人のハンドルを奪うことではありません。運転しやすい道路を整え、必要なら地図を渡し、それでも行き先は本人に決めてもらうことです。

行動科学は、人を操るための技術ではなく、人が自分の望む方向へ進みやすくするための知恵として使われるべきでしょう。

「できない自分」を叱るより、「できる条件」を探してみる

ヘンチェン・ダイの研究から学べるもっとも大切なことは、自分や他人の行動を、性格だけで説明しないことです。

続かないから、だめな人。
動けないから、やる気がない人。
失敗したから、能力のない人。

そんなふうに決めつける前に、少し立ち止まってみる。

始めるきっかけはあっただろうか。
目標は具体的だっただろうか。
最初の一歩は小さかっただろうか。
思い出せる仕組みがあっただろうか。
やり直せる区切りをつくれないだろうか。

人間は、いつでも理性的に動ける生き物ではありません。

忘れます。迷います。先延ばしします。お菓子を一個だけ食べるつもりで袋を開け、気づけば袋の底と対面します。

しかし、だからこそ仕組みが役に立ちます。

意志が弱い日にも動けるように、環境を整える。失敗した日にも戻れるように、新しい出発点をつくる。

人生を変えるのは、必ずしも大きな決意ではありません。

「月曜日から、五分だけやってみよう」
「次の給料日から、千円だけ分けてみよう」
「明日の朝、机の上に本を置いておこう」

そんな小さな工夫が、未来の流れを少しずつ変えていきます。

カレンダーをめくっただけでは、人生は変わりません。

けれど、カレンダーをめくった瞬間に、「ここから始めよう」と思えるなら、その一枚はただの紙ではありません。

新しい自分へ渡るための、小さな橋になるのです。

阿部牧歌(管理人)
阿部牧歌(管理人)

ヘンチェン・ダイ(Hengchen Dai)の論文一覧

1.『フレッシュスタート効果:「時間の節目」が、なりたい自分への一歩を後押しする』ヘンチェン・ダイ、キャサリン・L・ミルクマン、ジェイソン・リース(2014)

Dai, H., Milkman, K. L., & Riis, J.(2014). The Fresh Start Effect: Temporal Landmarks Motivate Aspirational Behavior. Management Science, 60(10), 2563–2582. DOI:10.1287/mnsc.2014.1901

「今度こそ本気を出す!」。そう決意した日、なぜか月曜日や元日ではありませんか?この論文は、新しい週・月・年、誕生日などの“区切り”のあとに、ダイエット検索やジム通い、目標への挑戦が増えることを確かめた研究です。人は区切りを迎えると、失敗だらけの昨日の自分をそっと前のページへ送り、「今日の私は新品です」と思いやすくなる。カレンダーにやる気のスイッチが隠れているなんて、少し笑えて、かなり使える。三日坊主にも再出発の日はあると教えてくれる、希望のわく一篇です。次の月曜日が、少し待ち遠しくなるかもしれません。

阿部牧歌(管理人)
阿部牧歌(管理人)
この論文の要約を読む
新しいことを始めるタイミングはいつ?節目がやる気を生む理由
新しいことを始めるタイミングはいつ?節目がやる気を生む理由
記事URLをコピーしました