アレクサンドル・コーガン(Aleksandr Kogan)の論文一覧:感謝は恋の接着剤? 親密な関係から人間のやさしさまで、心のつながりをこっそり測る心理学さんぽ

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アレクサンドル・コーガン(Aleksandr Kogan)のプロフィール

アレクサンドル・コーガンさんは、心理学とデータ科学の世界をまたいで活動してきた研究者です。ざっくり言うと、「人はなぜ親切にするのか?」「感謝は人間関係をどう長持ちさせるのか?」「やさしさや幸福は、どんな心のしくみで生まれるのか?」といった、人間の“あたたかい部分”を研究してきた人物です。心の研究室で、親切心に聴診器をあてるタイプの学者さんですね。

コーガンさんは、ケンブリッジ大学心理学部で講師・上級研究員として活動していた時期があり、人間の親切さ、幸福感、愛情、親密な関係などをテーマに研究していました。たとえば、エイミー・M・ゴードンさん、エミリー・A・インペットさんらと共著の論文では、「感謝」が恋人同士の関係を保つうえでどんな働きをするのかを調べています。つまり、「ありがとう」はただの礼儀作法ではなく、恋愛関係のネジをゆるみにくくする小さな工具かもしれない、というわけです。

また、彼の研究関心はかなり広く、人のやさしさや幸福を、生物学的な要因、文化、経験、状況などから見ようとしていました。たとえるなら、人間の親切心を「気合い」や「性格がいいから」で片づけず、「体のしくみ」「育った環境」「人との関係」「その場の空気」までまとめて見ようとする、なかなか欲張りな研究スタイルです。心理学の虫めがねを片手に、人間の善意という小さな星座を探していた感じですね。

一方で、コーガンさんは研究者としてだけでなく、ケンブリッジ・アナリティカ問題に関係した人物としても知られています。2014年ごろ、性格診断アプリを通じてフェイスブック利用者のデータが大量に集められ、そのデータ利用をめぐって大きな社会問題になりました。この件は、心理学・データ・政治・プライバシーがごちゃっと絡んだ、現代版「便利な道具は、使い方を間違えると怪物になる」案件として記憶されています。

参考文献・確認先: ケンブリッジ大学:アレクサンドル・コーガンに関する声明 / Google Scholar:Aleksandr Kogan 論文・引用情報 / PubMed:Aleksandr Kogan 関連論文 / PNAS:Aleksandr Kogan 共著論文

阿部牧歌(管理人)
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アレクサンドル・コーガン(Aleksandr Kogan)の研究から学べること

アレクサンドル・コーガンさんの研究から学べることは、ひとことで言うと、「人のやさしさや幸せは、ふんわりした気分だけでなく、体、感情、人間関係、そして社会のしくみと深くつながっている」ということです。

コーガンさんは、社会心理学の研究者として、幸福、親切、思いやり、人間関係などを研究してきました。本人の米国上院での証言によると、カリフォルニア大学バークレー校で心理学を学び、香港大学で心理学の博士号を取得し、その後ケンブリッジ大学で研究・教育に携わりました。自身の研究についても、幸福、親切、思いやりを中心にしてきたと説明しています。

ここでまず面白いのは、コーガンさんの研究テーマが、とても人間くさいことです。

「人はなぜ親切にするのか」
「幸せとは、ただ気分がいいことなのか」
「人とのつながりは、心や体にどう関係するのか」

こういう問いは、研究室の白い机の上だけにあるものではありません。スーパーで前の人に順番を譲るとき、疲れている同僚に「大丈夫?」と声をかけるとき、家族にちょっと強く言いすぎて反省するとき、私たちの日常のあちこちに転がっています。心の床に落ちている小さなビー玉みたいな問いです。踏むとちょっと痛い。でも拾ってよく見ると、けっこうきれいです。

コーガンさんの研究で有名なものの一つに、幸せの「安定性」に関する研究があります。ジョーン・グルーバーさんらとの研究では、前向きな感情が大きく上下しすぎる人ほど、心の健康や生活満足度が低い傾向があることが示されました。つまり、「うれしい!最高!人生バラ色!」が毎日ジェットコースターのように上がったり下がったりするより、ほどよく安定した明るさのほうが、心にはよい場合があるということです。

これは、けっこう意外です。

私たちはつい、「幸せは大きければ大きいほどよい」と思いがちです。でも、心が毎日お祭り騒ぎだと、屋台の片づけが大変です。テンションが急上昇して、翌日どーんと落ちる。今日は太陽、明日は土砂降り、明後日はなぜか雪。そんな心の天気予報では、本人も周りも傘を何本持てばいいのかわかりません。

ここから学べるのは、「幸せは、強さよりも安定が大切なことがある」ということです。

もちろん、うれしいことがあるのは素敵です。大喜びする日もあっていい。心の中で小さな鼓笛隊が行進する日があってもいいのです。ただ、幸せを追いかけるときに、「毎日ハイテンションでいなければ」と思う必要はありません。むしろ、静かに落ち着いている時間、穏やかに笑える時間、心が大きく揺れずに過ごせる時間。そういう地味な幸せが、暮らしの土台になることがあります。

また、コーガンさんは、思いやりや親切がどのように見えるのか、どのように人間関係とつながるのかにも関心を持ってきました。研究者としての紹介では、親切、愛、近い人間関係、幸福などを扱っていたことが確認できます。

これは日常に置き換えると、「やさしさは、言葉だけではなく、雰囲気や行動にも出る」という話です。

たとえば、誰かが困っているときに、立派な言葉を並べる人がいます。「あなたの苦しみに寄り添います」「共感しています」「心から応援しています」。もちろん、言葉も大切です。でも、言葉が豪華客船なのに、表情や態度が沈没寸前だと、相手は「え、どっちですか?」となります。やさしさは、言葉の中だけでなく、声の温度、聞く姿勢、ちょっとした間、相手を急かさない空気にもにじみます。

コーガンさんの研究から学べる二つ目のことは、「人間のやさしさは、目に見えないようで、意外と伝わっている」ということです。

誰かのために少し席を空ける。話を最後まで聞く。相手が失敗したとき、責める前に事情を聞く。そうした小さな行動は、派手ではありません。でも、人間関係の中では、じわじわ効いてきます。漢方薬タイプのやさしさです。即効性のある花火ではないけれど、暮らしの体温を少し上げてくれます。

ただし、コーガンさんについて語るとき、避けて通れない注意点もあります。彼は、いわゆるケンブリッジ・アナリティカ問題に関わった人物としても知られています。2014年に自身の会社を通じてフェイスブック連携の性格診断アプリを作り、そのアプリを通じて多くの利用者やその友人の情報が集められたことが、のちに大きな個人情報問題として報じられました。報道や関連資料では、この問題が政治広告や個人情報の扱いへの大きな不信につながったことが説明されています。

ここから学べる三つ目のことは、「人の心を研究する力は、使い方を間違えると、とても危うい」ということです。

心理学は、人を理解するための道具です。でも、道具というものは、包丁と同じです。料理にも使えるし、危ない使い方もできる。人の性格、感情、行動のクセを知ることは、支援や教育や健康づくりに役立ちます。けれど、それをこっそり人を誘導するために使ったり、本人が知らないところで情報を集めたりすれば、信頼というガラス細工はパリンと割れてしまいます。

だから、コーガンさんの歩みからは、研究内容だけでなく、「研究倫理の大切さ」も学べます。

どれだけ面白い研究でも、どれだけ大きなデータでも、そこにいるのは数字ではなく人間です。画面の向こうにいる人にも、生活があり、気持ちがあり、知られたくないことがあります。データは石ころではありません。人の暮らしからこぼれた、かなり繊細なかけらです。だから集め方、使い方、説明の仕方には、慎重さが必要になります。

ここが、コーガンさんの研究から学べる一番大きな教訓かもしれません。

人間を理解する知識は、人間を助けるために使うべきだ、ということです。

幸せの研究は、「どうすれば人をもっとクリックさせられるか」ではなく、「どうすれば人が穏やかに生きられるか」に向かってほしい。親切の研究は、「どうすれば人を都合よく動かせるか」ではなく、「どうすれば人と人があたたかく関われるか」に向かってほしい。心理学は、人の心の鍵穴をのぞくためのものではなく、閉じこもった心に窓をつくるためのものであってほしいのです。

日常に置き換えるなら、私たちも同じです。

相手の性格を知ったからといって、それを利用してはいけません。相手の弱点を知ったからといって、そこを押して動かしてはいけません。むしろ、その人が安心していられるように配慮する。相手の不安を知ったなら、そこに土足で踏み込まない。相手の喜ぶことを知ったなら、コントロールではなく、思いやりとして使う。ここが大切です。

アレクサンドル・コーガンさんの研究から学べることをまとめるなら、「幸せややさしさは、人間関係の中で育つ。そして、人の心を扱う知識には、必ず責任がついてくる」ということです。

幸せは、派手な歓声だけではありません。安定した心の明かりでもあります。やさしさは、立派な言葉だけではありません。日々の態度ににじむ小さな温度でもあります。そして心理学は、すごい力を持つからこそ、使い方を間違えると、人を支える橋ではなく、人を迷わせる迷路にもなってしまいます。

コーガンさんの研究と歩みは、私たちにこう問いかけているように思います。

「人の心を知ったとき、その知識を何のために使いますか?」

これは、研究者だけの問いではありません。支援者にも、教育者にも、職場の上司にも、家族にも、そして毎日だれかと関わっている私たち全員に関係する問いです。

人を理解することは、人を動かすためではなく、人を大切にするためにある。そこを忘れないこと。コーガンさんの研究から学べる一番大事なことは、案外そこにあるのかもしれません。

阿部牧歌(管理人)
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アレクサンドル・コーガン(Aleksandr Kogan)の論文一覧

1.『感謝は、愛を長持ちさせる。親密な絆を守り育てる“ありがとう”の力』エイミー・M・ゴードン、エミリー・A・インペット、アレクサンドル・コーガン、クリストファー・オヴェイス、ダッチャー・ケルトナー(2012)

Gordon, A. M., Impett, E. A., Kogan, A., Oveis, C., & Keltner, D. (2012). To have and to hold: Gratitude promotes relationship maintenance in intimate bonds. Journal of Personality and Social Psychology, 103(2), 257–274. DOI: 10.1037/a0028723

「恋人に“ありがとう”って言うだけで、本当に関係って長持ちするの?」という、ちょっと照れくさいけど大事な疑問に挑んだ研究です。ポイントは、感謝が単なるマナーではなく、「この人を大切にしたい」という心の接着剤になること。恋愛は情熱だけで走るスポーツカーではなく、日々の感謝でオイル交換する乗り物なのかもしれません。読むと、今日ちょっと誰かに「ありがとう」と言いたくなります。

阿部牧歌(管理人)
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この論文の要約を読む
【論文要約】感謝の研究からわかった、恋愛や夫婦関係が長続きする意外なしくみ
【論文要約】感謝の研究からわかった、恋愛や夫婦関係が長続きする意外なしくみ
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